取材日誌

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〈長野〉

2020.03.30

井坪工務店さんの住まいの情報センター(松川ショールーム)

井坪工務店さんが運営している住まいの情報センターを見学させて頂きました。

「見て、触って、体験できる」ショールーム

地理的な条件もあって、これまで飯田市にはこうしたショールームがなく、地域の方々は遠方に出かけて見学していたそうです。

「これだけの規模のものを作るとなると自社の資金だけでは賄えない、当時専務だった自分は父の意見に猛反対した」と井坪社長。

しかし、「地元・飯田市にお施主様の役に立つショールームを作りたい、これは俺の夢だ」とお父様でもある先代の務社長に言われ、そこまで言うならと決断されたそうです。

2,000坪という大型ショールームには、井坪工務店の定番仕様の家が丸ごと再現されていたり、WB通気工法の体験ルームなど、「見て、触って、体験できる」ショールームとなっています。

新築・リフォームのお施主様との打合せ、住宅お手入れセミナーなどの各種セミナー、お施主様と関連業者一同が初顔合わせをする「着工式」もこちらで行われるそうです。

また、お料理教室や盆栽市、郷土芸能の発表会などと、地域交流にも活用されているそうです。

オープン当初は住設メーカー製品中心の展示内容だったそうですが、「我々はモノづくりの会社であってモノ売りではない」と現在の展示内容にシフトしたそうです。

訪問時もフロアの一部が改装中でしたが、「常に展示内容を見直している」というお話しで、訪れる度に新しい発見がありそうです。

「家族を養う大事な道具」

井坪社長がまだ大工見習の頃のお話だそうですが、先代であるお父様に大工道具の仕上がりを見てもらっていた時、お二人のご様子を見ていたお祖母様(当時90歳代とか)から、「これから一生家族を養っていく大事な大工道具だから、大切に扱うように」と念を押されたそうです。

前回のご訪問の時に、お仕事中の大工さんに(鑿と鉋と鋸と玄翁など)大工道具を拝見させて頂きましたが、とても手入れが行き届いていたのを思い出しました。

そのお祖母様からの言い伝えを象徴するかのように、ブースの中心に置かれたガラスのショーケースの中に大棟梁が50年使われていたという大工道具が展示されています。

「鍛えられた鋼をここまで摩耗するまで使い込むとは」と、素人の私たちでさえ畏敬の念を抱かずにはいられませんでした。

WB通気工法を体感できる体験ルーム

WB通気構法の部屋と、そうでない部屋それぞれを体験できるようになっています。

二つの体験ルームを包括する空間の条件を安定させるためにネオマフォームで囲み、冬の気候や夏の気候を再現できるよう工夫されています。

WB通気構法のお部屋はカラッとしていますが、そうでないお部屋にはところどころにカビの発生が見られます。湿度コントロールの重要性が判りますね。

展示の工夫

可動式の壁や棚で空間を体感できるように工夫されています。

井坪工務店の定番仕様の家を丸ごと再現

正に「見て、触って、体験できる」ショールームですね。

随所に大工さんたちの技術の高さが表れています。屋根瓦の一文字葺きは初めて拝見しました。

映画のロケに使われたこともあるというお話にも納得です。

オンリー井坪の模型住宅コーナー

こちらのコーナーには、井坪工務店さんがおよそ5年間に建てられた家の建築モデルが展示されているそうです。

ご夫婦で訪れて「私はあの家が好き」「俺はこっちの家の方が良いよ」みたいな会話をされながら見て回られる方もいらっしゃるそうです。

200棟以上あるという事ですが、映画のジオラマセットのようでした。

飯田ハウジングセンター展示棟

飯田ハウジングセンターには6社6棟の展示棟が並んでいます。

井坪工務店さんの展示棟は、2週間後のグランドオープンに向けて最終調整の真っ最中でした。大勢のお施主様をお迎えするために、スタッフの方達は忙しそうにお仕事されています。

檜やヒバなどの無垢材をふんだんに使い、WB通気工法により温度、湿度調整が行われています。

6月半ばの初夏の暑さを感じる事のない快適空間を体験させて頂きました。

お忙しいところご案内頂いた井坪社長様、その他スタッフの方々にこの場をお借りして御礼申し上げます。