
〈長野〉
2020.03.30
長野県飯田市の井坪工務店さんをご訪問
長野県飯田市の有限会社井坪工務店さんをご訪問致しました。
井坪工務店さんは昭和40年に創業され、自らを「大工仕事に一番の誇りを持っている会社」として、半世紀に渡り長野県飯田市を中心に活動されています。
お忙しいところご対応頂きましたのは代表の井坪寿晴社長様です。

「本当にいい家とは、住む人が笑顔でいられる生活の喜びを感じられる家」
お父上様でもある先代の井坪務社長は「いいものを作ってまもっていきましょう」が口癖だったそうです。

その真意は「良いものを作らなければ、満足なアフターサービスなどできない」という意味だそうです。
「家を建てるという事は、即ち家を守る事」を半世紀に渡って実践されていらっしゃるのですね。
そんな井坪工務店さんには、ネオマフォームの発売と同時にご採用頂き、現在は全棟において標準採用頂いています。
井坪工務店のすべてを伝える見学会
「ネオマフォームに求める事は本当に優れた断熱材かどうかで、高いか安いかは使う側の勝手だ」「住宅も同じこと、大事なことは本当に良い家がどうかで、坪単価がどうだとかはお施主様が判断すること」と身が引き締まるお言葉を頂きました。
一方では「技術的な努力で工期を短縮するなど、コストダウンに繋がる工夫は常に怠らない」と井坪社長。
そんな井坪工務店さんでは、「井坪の秘密がわかる!」と題した井坪ツアーという独自の見学会を開催されています。
1.家造りの基礎となる部材へのこだわりを知る 『工場見学』
2.実際の建てられているおうちも見学『オーナー様宅見学』
3.実際に働いている職人さんに直に質問出来る『施工現場見学』
4.最新設備はここでチェック『松川ショールーム見学』
単純な価格競争ではなく、「施工品質」「職人」「つくるモノ」「精度」「想い」など、中身をきちんと見て欲しいという気持ちが伝わってきます。

「働きやすい環境づくり」
井坪社長も大工さんとしてキャリアをスタートしたそうですが、井坪工務店さんの大工さんは全て社員大工さんだそうです。
毎年2名前後雇用されているとのお話なので、詳細をお訪ねしたところ、先輩を慕って後輩が入社するというパターンが何年も続いているそうです。
「見習い~棟梁になるまでなど、ステップが明確になっているので、目標を持って働きやすいのでは」と話されていました。
「時代の流れなのか女性のエントリーも増えてきている」というお話しです。
隠れてしまう構造材にも桧材を使う
工場を見学させて頂きました。こちらには軸組モデルや材木のストックが沢山ならんでいます。
太い梁や、構造材にも桧を使うなどといった井坪工務店の特徴が判ります。

材料を吟味し、適材適所に振り分ける
ご案内頂いたのは大工の岩崎さんです。
こちらには柱だけで約6,000本もストックがあるそうで、プレカット加工できない大型の材木などは、ここで手刻みで加工されるそうです。
岩崎大工さんのアドバイスの元、お施主様自ら大黒柱など材料を選ばれたり、古材を再利用するなどの相談をされるそうです。
製材工場において徹底した品質管理の元で製材された材木でも多少の狂いが発生します。
「誤差の範囲内」としてそのまま使ってしまう会社も多い中、井坪工務店さんではさらに厳しい基準で、材木を寝かせて落ち着かせるという手間を掛けていらっしゃいます。
「無垢の柱一本一本に生命があり、ひとつとして同じものはない、それゆえ我々職人は真摯に向き合わねばならない」と井坪社長は語ります。
こちらでは、それぞれの特性を岩崎大工さんが見極めて選別されているそうですが、そうして手間を掛けた分、後工程の仕事がやり易くなるのですね。

造作もので腕を振るう
造作や化粧仕上げなども大工さんの腕の見せ所です。
こちらでは、キャリア44年の宮下棟梁が9尺あまりの玄関の式台を造作しています。

ストックされた床柱
なんでも一位の床柱の在庫数は日本でも有数で、これだけ希少材が揃っている工務店さんは少ないそうです。

たくさんのありがとう
オフィスの一角に付箋のようなものが沢山貼られていました。
詳しく尋ねてみると、スタッフ同士や、協力業者さん、或いはお施主様との間で「ありがとう」と言われた事を専用の「ありがとうカード」に書いて集計しているそうです。
感謝の気持ちを表す「ありがとう」だけではなく、改善を促す「期待します」という内容のものもありました。
情報共有の有り方として大変勉強になりました。

「家は、売るものではなく、つくるもの」
井坪工務店さんには、保険やローンのアドバイスなどを行う「ナビゲーター」という役割の方がいらっしゃるだけで、家を商品として売り込む営業専門の営業マンは一人もいないそうです。
「売る事に重点を置くと中身が無くなってしまう」「家の作り方も判らない者が家を売るのはおかしい」と井坪社長は語ります。
「こんな事ができる会社です」「全てをご納得いただいた上で設計契約を頂きたい」「家は、売るものではなく、つくるもの」と明解です。
残念ながらお時間が来てしまいましたので、本日の取材はここまでです。
お忙しい中、快く取材に応じて頂いた井坪社長様、その他スタッフの方々に、この場をお借りして心より感謝申し上げます。