
〈旭川〉
2020.03.27
旭川市のアトリエ カーサさんをご訪問
北海道旭川市の株式会社atelier casa(アトリエ カーサ)さんをご訪問してきました。
「オーダー住宅でありながらECOで低炭素の次世代住宅を創造する」
アトリエ カーサさんは 「オーダー住宅でありながらECOで低炭素の次世代住宅を創造する 」をテーマに時代のニーズに対応した家づくりをされています。
お忙しいところご対応頂きましたのは代表の石川社長様です。
アトリエカーサさんでは、標準仕様にネオマフォーム100mmをご採用頂いています。
「北海道の家は断熱性に優れているが、省エネ意識が低い?」
厳しい冬の寒さに耐える北海道の家。特に現代の家は断熱性が高く室内は「快適」な温度に保たれています。
この「快適」な部分については、こんな揶揄があります。
「北海道の人は家中の暖房を効かせて半そで短パンでアイスクリームを食べている」と。
「誇張ではあるが、当たっている部分もある」と石川社長。「必要以上に室温を上げる事は決して省エネとは言えない」とおっしゃいます。
「居住性・低ランニングコストを重視しながら、経年劣化のない家づくり」
昭和50年代の北海道の個人住宅の月間灯油消費量は300ℓから400ℓだったそうです。
現代の住宅ではかなり改善されているそうですが、その一方で大規模建造物においては改善が遅れているとのお話しでした。
北海道はアイスホッケーが盛んで、アトリエカーサさんの地元の旭川市にもアイスホッケー場があるそうですが、断熱性能の低さから年間の維持費が数億円単位という状況を憂慮されていらっしゃいました。
「新しい二世帯住宅の提案」
平成29年4月に完成されたお宅を、お施主様のご厚意で見学させて頂くこととなりました。
ライフスタイルの変化にも柔軟に対応できるように可変性のある間取りの二世代住宅です。
「スッキリとした空間を実現したオリジナルのエアコン暖房システム」
アトリエカーサさんは独自のエアコン暖房システムを開発し、エアコン一台で家全体を暖房しているそうです。
オール電化システムという事で、入居からこれまで10か月間の電気代の推移を拝見させて頂きましたが、調理を含めても平均すると3.5万円程度※でした。※あくまでも参考値です。機器の調整で大幅に電力を消費した月も含みます。
M様が以前住まわれていたお住まいは築60年くらいの建物で大変寒く、広めのお住まいだったこともあり灯油代だけで月に10万円くらい掛かっていたそうです。
床と壁の間、壁と天井の間、それぞれに添ってスリットが設けられていて、暖かい空気の流れを感じます。
エアコン本体も、ダクトも見えないというのはこんなにすっきりしているものなのですね。
エアコンの設定温度は20℃でしたが、窓の外の雪景色とは別世界な快適温度に保たれていました。
意匠的に巾木を無くし、廊下も広めです。M様ご愛用のルンバが掃除している様子を想像しました。
1階はモダンで落ち着いた雰囲気、2階は対照的にスタイリッシュな空間となっています。
極力モノを排したという石川社長のお話しですが、オープンハウスを開催した際に、来場者から「美術館のようだ」と感想があったというのも頷けます。
間接照明のトイレ。枠の無いフレームレスドアなど、細部に至るまでアイディアが満載でした。
M様ご自慢のバルコニーは雪で隠れていましたが、普段はバーベキューパーティーなどを楽しんでいらっしゃるそうです。
将来のライフスタイルの変化にも柔軟に対応できるよう可変性を持たせたデザインとなっていました。
「お財布にもエコでありたい」
「10年程度で壊れてしまう省エネ製品は、結果的にエコと言えないのではないのか?」と石川社長は仰います。
実際に「部品の供給がなくシステムごと交換するしかない」「大掛かりな交換工事が必要になる」など、これまでの自らの体験を語られていました。
逆に、旧式の方が部品の供給が多かったり、壊れても簡単に直せるといったメリットもあるというお話に、私たちも頷ける部分がありました。
生涯をかけてお付き合いできる工務店を選ぶ事の重要性を改めて考えさせられました。
お忙しいところご案内頂いた石川社長様をはじめ、コーディネーターの秋葉様、そしてお施主様のM様にこの場をお借りして御礼申し上げます。